在宅介護16年の闘い。

要介護4の父をリアル在宅介護してきた約16年を振り返る日常

在宅介護【お客様のターミナルケアのお手伝いをしています。】

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皆さん、こんにちは。^^

今回の記事は少し特別な?経験をしている話です。

以前からのこのブログでもよく登場・紹介したことのある、高齢のご夫婦のお客様の話です。

【80歳で一人暮らしのお客様】

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昨年末に、医師のご主人が亡くなれてからは奥様が1人で大きなマンションにお住まいでした。子供は居ません、近県に住んでいる2つ年下の妹さんが唯一の助けてくれる方でした。

80歳の奥様は、もともとガンや心臓病の持病がありましたが、医師のご主人が亡くなってからは積極的な医療的ケア、検査等、入院治療は全てご自身の意志で拒否してきました。

ご主人から紹介(知人の医師)の新しい主治医の先生からは、簡単な問診とお薬を出してもらう程度だけでした。

さらには、このブログでもよく紹介してきたいわゆる介護サービス等も受ける事を望んでませんでした。

介護認定も一番最近のもので「要支援1」の判定でした、これにはいろいろ疑問もありましたが、2回判定してもらいましたが「要支援1」は変わりませんでした。

経済的にはかなりゆとりがあるので、介護保険を使わなくても自費対応も可能でしたが、やっぱり知らない人の出入りはずっと拒否していました。

ご本人のプライドもあってか、「知らない赤の他人に介護される。」ことへの拒絶感はずっと変わりませんでした。

それでもこの1月ほど前までは、体調が優れないものの日常生活を妹さんや自分の手伝いを受けつつ1人でされていました。

【ターミナルケアを宣告される】

今回のGW期間中も、ほぼ毎日のようにお伺いしてできるお手伝いをしていました。

当然、ただの一般人な自分が出来ることは限られています。

身体に触れる事のあるような直接的な介護は妹さんがされています、その他の雑用をしています。

  • スーパーへの食料品の買い出し
  • ホームセンターや通販で日用品の買い出し
  • マンション7階なので、ゴミ出しは前日にうちの店に持って帰って捨てています
  • 簡単な掃除や片付け、ベランダの掃除
  • 一緒に住んでる室内犬のウンチ・おしっこの始末
  • 仕事でもある、衣類や寝具のクリーニング

父の長かった在宅介護経験で、多少は他の人よりも介護の知識や段取りは解っているつもりでした。

ここ数日、体調が一気に悪化していて主治医の先生が休日中ですが診に来られてました。たまたま荷物を届ける為に伺っていたので、話に同席する事になりました。

会話の中に「ターミナルケア」「ターミナル」と言う言葉が頻繁に出ていました・・いよいよ、覚悟する時がきたようです。

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◎ターミナルケアってご存じですか?

ターミナルケアとは、病気で余命がわずかとなってしまった方に対して行う、医療・看護・介護の事を言います。

残りの余命を少しでも穏やかに過ごす事ができるように、痛み・不安・ストレス等を緩和して、患者さんの残りの人生を自分らしく保つ事を目的としています。 

【お客様との出会い】

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自分が今の仕事(クリーニング店を継ぐ)を始めた、やく20年弱の頃からずっと仕事でお世話になっていたお客様でした。

ご主人が内科医、奥様もとても裕福なご家庭で育ったと聞いていました。

出して頂くクリーニングは、それはそれは高級なお洋服だったり、フルオーダーで品質表示がなかったり、細かい注文や無理な注文があったりで、お取引が始まった当初は自分も若くて未熟だったせいもありとても大変でした。。

アイロンの仕上げが気に入らない時は、何回でもやり直しで返品されていました。

「もう他所のクリーニング店に出してくれへんかな?」

なんて事、いつも思ってましたね。笑

気に入って合格ラインを出してもらうまでには、何ヵ月?いやもっとかな?かかったように思います。

それでも、うちの店(自分)の事を気に入って頂いていたので、現在までずっとクリーニングはうちに出してくれてました。

◎数年前にお付き合いに転機が?

3年程前だったかな?いつも買い物に行く「いかりスーパー」に車で乗せて行って欲しいと言われました。

ご主人が元気な頃は、もちろん車で行かれてましたし、車を運転しなくなってもお二人でタクシーを呼んで行かれてました。

タクシーを呼ぶ手間や時間もあって、融通の利く自分に声がかかりました。

  • 最初の頃は、自分が運転してご夫婦2人と3人で。
  • 次第に奥さんの体調も悪くなり、ご主人と2人で。
  • ご主人が亡くなり、メモを片手に自分1人で。
  • 現在では、スーパーで買ったものはもうほとんど食べれません。

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◎数えきれない程、食事に連れて行ってもらいました!

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ちょうどお買い物の手伝いが始った頃、月に何度も食事に連れて行って頂くようになりました。

これまで、お菓子や食品は頂いた事はありましたが、食事に連れて行ってもらう事などはありませんでした。

自分では到底入る事の出来ない高級なお店に、何度も何度も連れて行ってもらいました。

  • 値段のない1日数組しか予約を取らないお寿司
  • 目の前で揚げてもらう天ぷら
  • 今年のお正月には、数万円もする高給なお節料理まで予約してくれました

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スーパーのお買い物手伝いの時も、「欲しい物があれば何でも買いなさい!」といつも言われてましたが、当然そんな事はなかなかできません。

今思い返してみても、本当に良くして頂いたと思います。

【あとがき】

長いお付き合いのお客様とはいえ、ここまで深いお付き合いをさせて頂けた事には本当に感謝しています。

何か特別なご縁?があったのかもしれませんね

高級な衣料品をクリーニングさせてもらえた事で、貴重な経験やスキル向上にも繋がりましたし、お付き合いがなければ出来ない経験もたくさんさせてもらいました。

ターミナルケアとなってしまった現状で、もう家族でもない自分に出来る事なんてほとんどありません。

この1~2ヵ月前までは頭もしっかりしていて元気だったのに、日に日に体調も悪化して認知機能もどんどん低下してしまってます。「こんなに急速に悪化が進むもの?」という感じです。

うちの父の介護期間は長かったですが、認知機能は比較的問題無かったので、お客様とコミュニケーションが取れなくなっていくことへの、なんとも言えない気持ちがこみあげてきました。

これが家族が認知症になるという事は、本当に辛い事だと改めて思いました・・。

これからも、毎日仕事が終わって夕方頃にお伺いしようと思います。

お手伝いできる残り時間も、出来る事もわずかに限られてます。

けれど「今すべき事をする。」この事は間違ってないと思います。

長い間お世話になって恩返しも含めて、最後までお手伝いをやり遂げようと思います。

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