皆さん、こんにちは。^^
こちらのブログでは、これまでにも合成皮革(フェイクレザー)などのポリウレタン系の衣類には経年劣化にによる衣類としての寿命がある!などのお話をしてきました。
合成皮革はフェイクレザーとも呼ばれており、解り易く言うと「偽物の革!」ということですね。
合成皮革の素材の利点としては、
- パッと見た感じでは本物の革と区別がつかない!
- 本革に比べると安価な商品が多い!
- 洗濯する事ができる!
などがあげられます。
➡ 問題はデメリットの部分ですね!
合成皮革は衣類というよりも、素材の時点で経年劣化(製造から3~4年程)を起こしやすい性質があります。
- 表面が硬くなってしまい、ひび割れてしまう!
- 触ると表面がベタついており、色や表面生地が他へ付いてしまう!
- 生地自体がポロポロと剥がれ落ちてしまう!
などがあげられます。
衣類だけでは、バッグやベルトなど小物類にも合成皮革は多く使用されています。
皆さんも、一度は「あれ?なんか革っぽい部分がボロボロになってる?」と言う経験をされた方が居られませんか?
詳細については、⇩こちら⇩の記事で説明してありますので宜しければご覧ください。
【実際に当店に出た品物で解説したいと思います!】
先日、お客様から合成皮革製のフード付きジャンパーのクリーニング依頼がありました。
- 5年振りぐらいにクローゼットから引っ張りだしてきた
- 全然着てないはずなのに、汚れのようなものが目立つ
- ブランド物で高かったし、洗えるならクリーニングして欲しい
外回りのお客様だったので、玄関先で詳細が分かりづらいため店に持ち帰って良く調べてからご連絡を差し上げる事にしました。
店に戻って明るい作業場で詳しく見てみると・・やっぱり表面的な劣化が進んでいる状態でした。
- 所々シミのようになってるのが解りますでしょうか?
- これは表面が経年劣化により、少しの弱い力でも剥離してしまう状態です。
広告
- 肩から腕にかけての部分も剥離が目立ちますね。
- 腕や肘の部分は、全体的なひび割れが起こってしまってます。
◎品質表示を確認してみる!
今回の商品は、「カステルバジャック」と言うブランドの商品です。
ハイブランドではありませんが、お値段はそれなりに高価な品物だと思います。
- 品質表示には、表地・裏地ともにポリエステル100%の表記ですね。
- あれ?合成皮革やフェイクレザーなどの表記がありません。
- 意外と思われるかもしれませんが、合成皮革の衣類は水洗いできることが多いです。
- ドライクリーニングも可になっていますが、温度がかかるため生地が硬くなってしまったりひび割れの可能性もあるので取り扱いが難しいです。
広告
- ようやく3枚目のタグに、素材に関しての注意書きがありました!
- 「表面の樹脂は経年劣化(3~4年)により、剥離(はくり:はがれおちること)やベトつきが生じる場合があります。」と記載されています。
- 当てぬ布をしたとしても、アイロンはかけない方が無難です。
海外ブランドの正規代理店販売品なので、きちんと合成皮革衣類についての注意書きがありました。
最近のブランド衣類の品質タグには2年程で経年劣化が起こると書かれていたりします。
この経年劣化の年月にある程度の幅がありますし、使用方法・保管方法などにも大きく左右されます。
- 空気中の水分
- 人の皮脂や汗、その他の汚れ
- 紫外線
- 着用時に起こる摩擦
➡ ポイント!
- 商品を買ってから3~4年ではありません!
- 商品が製造された時点からの経年になります!
- なので型落ち商品などは、より注意が必要になります!
【合成皮革の劣化を防ぐ方法ないの?】
残念ながら、ポリウレタン系素材の劣化は確実の起こると言われています。
ただ絶対というわけではありませんが、品物を長持ちさせたりする方法はいくつか言われています。
- 温度や湿度が低い場所で保管すること
- クリーニングをして劣化の原因となる汚れを落としてから保管すること
- 買う時に「2~3シーズン着れれば良いか。」と納得して買うこと。
【まとめ!】
- 合成皮革・フェイクレザーの衣類(小物)などは、平均して3~4年程が寿命です!
- 品物の値段に関わらず劣化します!高級品だからといって長持ちしません!
- 消費者側としても、素材に関しての知識をえたり品質タグの確認を習慣にしましょう!
【あとがき】
実は、今回のお客様はまったく同じ商品の色違いもお持ちでした。
2点とも今回お預かりして確認させて頂きました。
同じ時期に購入した商品ですが、こちらの茶色のジャンパーは経年劣化が比較的少なかったんです。
同じ場所に同じようにして保管していたのに不思議ですね?
色の違いだったり、製造された時期の違いがあるのかもしれません。
今回の2点の品物は、状態を説明して納得して頂きどちらも返品というかたちになりました。
合皮のジャンパーとなると料金も高くなりますし、店側としても売上に貢献!と思いがちですが・・
安易に目先の利益に飛びついてしまうと、大きなトラブルや信用損失に繋がります。
といわけで、今回は合成皮革の衣類についてこんな注意が必要ですよー!というお話でした。
今回の記事が少しでもお役に立てればと思います。^^
?