在宅介護16年の闘い。

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ヤングケアラー問題【埼玉県が全国に先駆けて大規模調査を実施!】

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皆さん、こんにちは。^^

埼玉県が全国に先駆けて実施した、ヤングケアラーについての大規模調査の結果が出ました!」

12月に厚生労働省が全国的な規模で、ヤングケアラーについての本格調査を実施する記事を書きました。

学校単位だった調査が、専門家の意見等などにより個別に聞き取りをする方針へと転換されたりと少しずつ良い方向に向かってるように思います。 

【おさらい:ヤングケアラーについて】

「ヤングケアラー」とは、家族が病気や障害などで介護が必要な場合、他にサポートする家族や大人が居ない場合に家事やサポートなどを担う18歳未満の子供の事を言います。

◎18歳未満とくくられる事が多いですが、実際の介護負担度や社会的立場からしても20~30代も十分ヤングケアラーと言えると個人的には思います。

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※画像は一般社団法人日本ケアラー連盟より引用

【埼玉県はヤングケアラー問題に率先して取り組んでいる!】 

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※画像は埼玉ポーズというそうです。

埼玉県では、今年3月に全国で初めてとなるヤングケアラーを支援する為の条例「ケアラー支援条例」が成立しました。

これは社会全体で支えることでケアラーの孤立などを防ぐ仕組みを目指すものです。

ヤングケアラー教育機会の確保なども含まれているとの事です。

大阪では、まだここまでヤングケアラー問題について具体的な取り組みは始まっていないので少しでも早く同様の調査が行われればと思います。

実際、大阪府・豊中市においてもここ最近はほとんどヤングケアラー問題についての取り組みやニュースを見かける事は残念ながらありません。

◎ケアラー支援条例を踏まえて、大規模調査を実施!

埼玉県では全国に先駆けて、県内の全ての高校2年生約55000人を対象に大規模な実施調査を行いました。

ヤングケアラー問題に関しての大規模調査は、今回の埼玉県の例が初めてとなるようです。

約90%から回答を得ました。

◎気になる調査の結果が公表されました

  • 家族に変わって家事などをしている
  • 身の回りの世話などをしている
  • その他8項目

などの10の項目について質問をして、ヤングケアラーに該当するか尋ねたところ4.1%が該当する事が解りました。

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◎生活への影響を尋ねてみたところ?

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  • 孤独を感じる       19%
  • ストレスを感じる     17%
  • 勉強時間が十分に取れない 10%
  • 影響はない        42%

と言う回答になり、ヤングケアラー本人にも体調面や学業に影響が出ている事を自覚していることが解りました。

➡ 調査対象の25人に1人がヤングケアラーに該当する事になります。

さらに介護の回数においては、「毎日」が最も多く35%となりました。 

ヤングケアラー問題の専門家の意見でも、クラスに1人のヤングケアラーが居ると考えると軽視できる状況ではないと話しています。

埼玉県では相談体制の整備などの支援策を検討しているとのことです。

【大阪府でも2016年に調査が行われていた!】

◎2016年に大阪府でも調査が行われていました。

調査内容の公表は、2018年の毎日新聞に掲載されていました。

府立高校10高を対象に調査したもので、5246人から回答を得ました。

埼玉県の調査に比べれば規模は小さいですが、大阪でもヤングケアラー問題についての調査が行われていた事は知りませんでした。。まだまだ知らない事が多いです。

  • 家族に介護や手伝い、精神的なサポートが必要 ➡ 13%の664人(そのうち約半数の325人が「自分がケアをしている」と回答)
◎ケアの対象の家族

身体障害・身体機能低下・病気・精神疾患がケアの対象のようです。

  • 祖母 129人
  • 祖父 61人
  • 母  55人
◎ケアの内容
  • 家事全般        115人
  • 力仕事         106人
  • 外出時の介助や付き添い 92人
  • 感情面のサポート    74人

介護の頻度の質問に対しては、毎日あるいは週4~5日と回答しています。

  • 学校のある日のケア 22%(1日1~2時間
  • 学校のない日のケアは8時間以上ケアしている生徒もいました。

ケアをしている生徒の少なくとも4割が小学生の頃から何かしらの世話やケアを始めているという驚きの結果でています。

➡ 「経済的に余裕がない」と答えた生徒に、ヤングケアラー存在割合が高い傾向がみられるとの事です。

約半数の生徒が、家族の介護・介助・ケア等をしている事を家族以外には話しておらず、福祉の専門家などに相談している生徒はたった5%未満にとどまっています。

◎4年程前の調査になりますが、これほどまでにリアルな数字と現実を文字にして読むとさらにヤングケアラー問題の奥深さというか・・深刻さが伝わってきます。

大阪でも本格的な大規模調査が行われれば、もっと深刻な数字が浮き彫りになるかもしれません。

【あとがき】

国よりも早くに大規模調査を開始した埼玉県、ヤングケアラー問題に関してはかなり積極的に取り組んでいるようです。

これからも埼玉県の取り組みや情報発信に注目です!

自分もヤングケアラーだった経験なども踏まえて、これからもこの問題についてのニュースや記事を少しでも解り易く発信して、役に立てればと思います。

※合わせて他のヤングケアラー問題の記事もご覧下さい。

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