在宅介護16年の闘い。

要介護4の父をリアル在宅介護してきた約16年を振り返る日常

在宅介護【ヤングケアラー問題に18歳未満の年齢表記は不要?】

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皆さん、こんにちは。^^

「ヤングケアラーの問題について、18歳未満の子供達と言う紹介は少し違うのかもしれません。」

これまでにも、ヤングケアラー問題の記事を何度か書いてきました。

まだあまり知られていない、「ヤングケアラー」と言う言葉を紹介するにあたって、定義のようなものとして「18歳未満の子供達が家庭内で家族や兄弟を介護する状況」と表記してきました。

【厚生労働省は年齢を定義していない】

厚生労働省家庭福祉課の見解として、

「政府はヤングケアラーの年齢を定義しておらず、海外や国内のケアラー連盟が提唱している年齢設定が広がっている。」との事です。

実際の家庭内介護の現場感ですと、10代~30代ぐらいまでの方が親や兄弟・祖父母のフォローしたり面倒を見る事をヤングケアラーと呼んで良いかもしれません。

説明等の都合上、年齢表記は18歳未満とする専門家の先生やメディアでの紹介が目立ちますが少し誤解もあるようです。

【振り返れば自分もヤングケアラー】

ここ最近は、テレビやネット上でもヤングケアラーと言う言葉を見聞きするようになりました。日常生活でこれまでに介護の経験のない方には、あまりピンと来ない言葉だったりすると思います。

自分は小学生の頃に父がくも膜下出血で障害者(半身麻痺・重度の言語障害)となり、その後回復傾向にあったものの、2度の脳梗塞を経て在宅介護が16年間も続く状況となりました。

少しずつヤングケアラー問題の事を勉強していくうちに、当時の自分も同じ(ヤングケアラー)状況だったんだなと思うようになりました。

【20代~30代でも十分ヤングケアラー】

18歳未満と言うワードについつい目が行きがちですが、現実問題として19歳でも20歳でも、それ以上の年齢だとしても家族を介護すると言う観点からは何も変わりません。

20歳を超えて社会人になり、30歳を超えたとしても状況が特別変わる事はありませんし、逆に年月が進むほど介護は大変になっていきます。

以前に、厚労省がこの12月からヤングケアラー問題に関して本格的に調査を始めると言う記事を書きました。

12月予定なので、この調査もまだ始まってません。 

この記事の中でも教育現場を対象に調査とあるように、18歳未満が主な調査対象になるんだと思います。

となると、20代前半~30代にかけて仕事や自分の事を犠牲にして家族を介護している人達の事は、いつどうやって世の中に知れ渡るのでしょうか?

もちろん、一定の線引きをして調査をするのも解りますが・・現時点ですでに超高齢化社会の日本で、大在宅介護時代がやってくるのは目前です。

18歳未満のヤングケアラーの人達を率先して救済する事はとても大事です、でも現実問題の在宅介護現場の厳しい問題としてはほんの一部に過ぎません。

国や自治体が「在宅介護」全般にもっともっと意識をもって取り組んでもらわないと、気付いた時には在宅介護難民が膨大な数になってしまいそうで心配です。

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【自分が16年も在宅介護を続けれた理由】

結果論として、望まずして16年間も続けてきたという事実だけです。

仕事が店舗兼自宅で仕事をしていたので、在宅介護できたのかもしれません。

在宅介護が始って数年で、いろいろな面で限界がきました。

自分で見つけた解決方としては、

  • 自分の将来・未来への諦め
  • 終わりの見えない介護で人生の絶望

言葉として不適切かもしれませんが、こう思う事で日々の介護を淡々と事務的にこなす事ができてたのも事実です。

  • やりたい事があるけど、できない
  • 行きたい場所があるけど、いけない
  • 求めない・望まない

父が施設に入り介護がひと段落した今でも、自分にはこの選択肢しかなかったと思います。

第三者からすると、

  • 1人で抱え込まないで、もっと人に頼って!
  • 制度や自治体を上手に利用して!

と言われる事も多くありましたが、所詮は他人事なんですね。

誰に頼るの?誰が助けてくれるの?誰が支援してくれるの?

父の親族や自分の実の姉ですら父の介護には無関心、自治体の制度や助成・デイサービス・訪問介護・訪問診療・等々解る範囲内で全て利用してました。※後で知らなかった事もありましたが。

結局のところは現実問題、同居する家族が面倒をみる

これに尽きます。

【あとがき】

いつも同じ事を思います、

たった1人の人間を介護すると言う事は、膨大なエネルギーが必要です。

介護という作業は、介護者から容赦なくいろいろなものを奪います、

  • 人生・時間
  • 体力・エネルギー
  • お金
  • 将来・希望

奪うというより、気付いた時には失ってるという感じでしょうか。

大事な家族・愛する家族だから最後まで介護して面倒を見る!と言われる方も居られると思います。

けれどそのモチベーションが、

  • 5年・10年・15年と変わらない愛情で介護を続けられる自信はありますか?
  • 介護期間に、自分が変わらず肉体的・精神的に健康で居れる自信はありますか?
  • 何年にも渡って、自分の人生を犠牲にする覚悟はありますか?

本当に続けられる方は極少数になるように思います、これが在宅介護のリアルです。

介護に決まった答えや正解などありません。

なので、介護と言う期間を少しでも短くしたり介護者の負担を軽減させる為にも日頃からの健康管理、仕事の事、家族間のコミュニケーションだったり情報共有、まだ家族が元気なうち健康なうちからの、老後の事・今後の事を話し合う機会を少しでも持って頂ければと思います。

少しネガティブな記事になってますが、これも自分が経験した人生の一部なので、少しでも読んで頂いた方のご参考になればと思います。

※合わせて以前の関連の記事も、宜しければご覧ください。 

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