皆さん、こんにちは。^^
「洋服には寿命があります!」と言う話です。
とは言え、「5年、10年着てるけど全然大丈夫だけど?」なんて方も居ると思います。
洋服(衣類)には、いろいろな繊維が使われています、天然繊維の綿・麻・ウールや、化学繊維のポリエステル・ナイロン・レーヨン・ポリウレタン等々。
今回説明するのは、ポリウレタンの素材(樹脂)を使った衣類の劣化についてです。
◎「ポリウレタン素材の生地(繊維)の寿命は製造された時点から約2~3年といわれています。」
【ポリウレタンて何?】
- ストレッチ加工に使用されている糸
- コートなどの生地を張り合わせる為の接着樹脂(ボンディング加工)
- 生地に特徴を出す為のコーティング加工
- 合皮・人工皮革(ポリウレタン表面加工)
などに使われています。
解りやすく言うとストレッチ素材の衣類ありますよね?
これはポリウレタン繊維が使われている代表的な特徴の1つです。
最近の洋服でストレッチ効いてない服の方が少ないんじゃないかってぐらいほとんど使われてますよね。
◎このポリウレタンが劣化する事で、型崩れ・変色・剥離・劣化等々の問題が起きます。
【劣化の状態】
- ストレッチパンツの膝が出たまま元に戻らない、全体的に伸縮がなくなってきた。➡繊維の劣化によるもので、衣類の寿命です。
- コート等の生地に気泡のような膨らみがポツポツできてる。➡接着剤の劣化による剥離で、回復できません。
- ジャケットなどの襟や袖口の合皮パイピングがボロボロになって剥がれてきた。➡表面加工の劣化による剥離で、衣類の寿命です。
- 表面加工されたジャケットなどが、触るとベタベタしている。➡表面加工が経年により劣化したもので、回復は無理です。
【ポリウレタン素材の劣化の原因】
- 空気中の水分、大気ガス、熱、光、紫外線 + 時間
「ようするに、ポリウレタンを含む繊維は何もしなくても時間と共に劣化すると言う事です。」
着ても、着なくても、です。
もっと言うと新品未使用でクローゼットに眠っていても、経年で劣化は進行していきます。
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【ポリウレタン素材を含む衣類の寿命は約2~3年!】
「じゃあ買って3年後に、いきなりボロボロになるの?」
それは、違います。経年劣化と言っても温度、湿度、水分等の環境によって影響の受け方も違いはあります。
3年より早くにダメになる可能性もありますし、5年以上経っても影響をあまり受けてない衣類もあります。
【ポイント】
購入してからではなくて、製造されてから約2~3年ぐらいという事です!
- セール品で不自然なぐらいの激安商品ありませんか?
- ネットオークション等で購入する場合、いつ頃の物か素材は確認していますか?
- セール品でも古着でも、ポリウレタン素材を含む衣類の場合、長く着れないかもしれないという認識が必要です。
最近の洋服の品質タグ(内側にペラペラ付いてますね?)には、ポリウレタン素材の経年劣化に関することも書いてあります。びっくりするぐらい小さい字です。
でも洋服買う時に、いちいち内側の表示見て買いませんよね?
普段着や部屋着、安価なファストファッション系ならともかく、
「せめて高い洋服を買う時ぐらいは、品質表示を見てポリウレタン素材が使用されてないか確認して下さい。」
- ストレッチ素材の洋服は、あんまり長持ちしないみたい・・
- 全体が合皮素材のスカート・パンツ・コートは、いずれ生地の寿命がきます。
- 特殊コーティングの洋服は経年でベタついたりするのか・・
- 2~3年着れたら良いし、別に気にしないし構わない。
◎店員さんは洋服を買う時に、「これ2~3年でアウトですよ?」なんて言いませんよね、これもちゃんと商品説明の義務があるはずなんですけどね・・。
昨年、うちのお客さんの品物で〇ゥモロー〇ンドの紳士物のコートがクリーニングにでました。
常連のお客様で、購入されて初めてのクリーニングでした。表示を確認すると、表生地と裏生地をポリウレタン樹脂で接着したボンディング加工のコートでした。
生地も光沢があってシワになりくく、見た目も今時のオシャレなコートでした。
表示には「この商品の耐用年数は2年が目安です。」と書いてあります。
お客さんにちゃんと説明したところ、凹まれてましたが納得して頂けました。今回のクリーニングでは何の問題もなく綺麗に洗えて仕上がりましたが、来年も洗う前に劣化の起こる恐れがある事をきちんと説明します。
【15万超のコートが2年で終了!?】
先に書いたように、きっちり2年でいきなり劣化が始まる!とは思いませんが、長く着続けるのは難しいかなと思います。もちろん、着方や保管方法によっては数年着てもクリーニングしても大丈夫かもしれません。
メーカはクレーム対策や保険として、予め品質タグに耐用年数を記載してるんだと思います。
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【クリーニング屋として一番困る事】
「クリーニングに出したら洋服がおかしくなった!」
これが一番困る事例です、もちろん取り扱い方・洗い方・仕上げ方を間違えばおかしくなります。
ですが、ポリウレタン素材を含む商品や、特殊加工の商品は経年劣化が進んだ状態でも見た目にはあまり解らない場合もあります。
いざクリーニングしてみると「えー!おかしくなってるー!」ってなるんですね。
なのでクリーニング屋の対策としては、とにかくお客様の品物を受付の際にしっかり確認する事「洗う前に目で見て手で触って確認。」ポリウレタンが使われてる物や怪しいなと思う素材は洗う前に必ずお客様と相談しています。
- 何年ぐらい前のお洋服ですか?
- ポリウレタンと言う素材が使われてます、洗うと劣化する恐れがあります。
- 「この部分がもう劣化してます。」そろそろお洋服の寿命だと思います。
と、提案や説明するように心がけてます。
「いちいち説明するの?」ちゃんと説明します、これはクリーニング屋の説明義務で決まってるんですね。
皆さんはクリーング出す時に、ちゃんと説明を受けていますか?
大手チェーン店の受付のパートさんに、説明を求めるのは酷かもしれません。
普段着や日々のYシャツは安いチェーン店でも良いかもしれません。
お気に入りの洋服や大事な物、高級な洋服類は信頼のあるクリーニング店に出す事をお勧めします。
※大手チェーン店のやり方を批判するものではありません、それぞれのやり方があると思いますし、仕上がりや店を選ぶのは消費者なので。
◎個人的に一番クリーニング屋の腕を確認できるのは【Yシャツの手仕上げ】だと思います。それは利益が少ない上に、手間と技術が必要だからです。
【まとめ】
- ポリウレタンが使われてる洋服の寿命は製造されてから約2~3年が目安。
- 何もしなくても、時間と共に劣化は進行していきます。
- 2~3年着用しており劣化の進んだ衣類は、クリーニングで劣化が顕著になってしまうことがある。
- 洋服を購入する際に、品質表示タグを見て素材を確認する習慣をお願いします。
- 普段着や安価な服で2~3年しか着用しないなら、あまり気にしないで良いと思います。
- クリーニングに出した衣類がおかしくなった場合、洋服の寿命での可能性もあるという認識をもって下さい。
「消費者側の皆さんにも、ポリウレタンの素材の特性をちゃんと理解して頂き、大切なお洋服の事を良く知ってもらいたいと思って記事にしました。お役に立てれば幸いです。」
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