皆さん、こんにちは。^^
今日は高級ダウンブランド『モンクレール』についてのお話です。
ご存じだったり、お持ちの方も居られると思います。
今回は商品紹介等ではなく、クリーング屋の目線でモンクレールの高級ダウンの取り扱いについて説明させて頂きます!
【モンクレールってどんなブランド?】
※モンクレール公式HPより引用
モンクレールは、フランスで生まれたハイブランドです。
特にダウンジャケットが有名で袖に特徴のあるワッペンが付いています。
- ライトダウンやダウンベストでも15~6万円以上!
- 一般的なダウンジャケットですと20万円以上!
と、なかなか庶民には手が届かない価格帯の商品です。
お値段が高いのには、もちろん理由があります。
- 使われているダウンやフェザー、他素材が高品質であること!
- ブランドバリュ―で高価格化してること!
などだと思います。
【モンクレールのクリーニングについて!】
クリーニング屋を始めて20年程になります。
これまでにもモンクレールのダウンをクリーニングしてきました。
とは言え、そんなに数多くの種類は取り扱ってきてません。
個人的な主観ですが、ひと昔前のモンクレールのダウンは
- 今よりも価格帯がやや低目(それでも高いです)
- 作りが比較的単純(化繊+ダウン&フェザー)
- デザインもシンプルな作り
- クリーニングも特に問題なかった
だったように思います。
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◎最近のモンクレールは洗うのが難しい!
つい先日、今期最新のレディースモデルがクリーニングに出ました。
※写真はサンプルで、同一の商品です
パッと見は普通の白いダウンジャケットかな?と思います。
ですが、細かい部分で従来のモンクレールダウンとは違う箇所があります。
- フードの内側に黒の同色で大きなロゴプリントがある!
- ジップは止水タイプになっている!
- 腕のワッペンがラバータイプ!
- ファスナーも黒に塗装されている!
こちらのモデルの品質表示/洗濯表示は、水洗いのみという事になっています。
ドライクリーニング、タンブル乾燥(乾燥機)は禁止です。
◎ドライクリーニングがダメな理由について!
ドライクリーニングすると言う事は、石油系溶剤で衣類を洗う方法です。
油性の汚れに効果的だったり、デリケートに洗える利点があります。
ですが、使用されている素材等によりドライクリーニングがNGな事あります。
- フード内側のプリントが剥がれる恐れがある!
- 止水ジップの素材が劣化する恐れがある!
- ラバーワッペンの劣化の恐れがある!
- ドライ機洗いする事で、ファスナーの塗装が剥がれる恐れがある!
ん?恐れすぎ?ビビりすぎ?笑
そうなんです、恐れ過ぎる理由は簡単です。
こちらの商品は正規品の定価が約25万します、恐れて当然です!
クリーニングの際には、細心の注意と念には念の対策が必須です。
万が一クリーニングのミスだったり、商品にダメージ等が出てしまうと弁償という形もありえます。
弁償といってもなかなかポンと支払える金額ではありませんよね?
- クリーニングでのリスクについての事前説明!
- クリーニング方法についての事前説明!
- 割増料金等についての事前説明!
これらの事が、とても重要になってきます。
一般的なクリーニングなどの場合も同じですが、特殊なクリーニングになる場合は得に念入りにお客様と相談させて頂きます。
※場合によっては、クリーニングをお断りする事もあります。
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◎25万もするダウンは何年もつの?
庶民的な感覚ですと、これ思いつきませんか?笑
➡結論!購入金額と耐久年数は比例しません!
定期的なお手入れやクリーニングをしても5年程度ではないかと思います。
※保管状況や使用頻度によって異なると思います。
今回のダウンを例に挙げますと、
- フード内側のプリントはいずれ経年で劣化してきます!
- ラバー素材のワッペンも経年で劣化してきます!
- 止水ジップの素材も経年で劣化してきます!
- デザイン性が高いので、流行遅れになっていきます!
こんなに高級なダウンなら、5年・10年・いや一生もの!なんて思う自分は庶民派発想かもしれませんね。笑
衣類の寿命というか、各所の素材自体の寿命がきてしまいます。
【クリーニングは無事に終了!】
今回のこちらのクリーニングは無事に終了しました。
特に大きな汚れなどはありませんでしが、首回りや袖口の汚れも綺麗になりました。
簡単に工程手順を説明します。
- 1点のみで手洗いです。この時にしっかりとすすぐ事、適切な洗剤と水温には注意が必要です。
- 脱水後は日陰干しします。この時に扇風機で風を当てながら何度も手でダウンをほぐします。
- しっかり乾燥したら、形を整えて包装して納品です。
文字にしたら超簡単に終わってる感じがする!笑
ポイント!
ダウンジャケットはクリーング後に、しっかり自然乾燥させた後に乾燥機に入れてダウンを膨らます工程があります。
一般的にはこの方法で、しっかりとダウンの内側に空気が入り膨らみます。
ですが、今回はいろいろなリスクを考慮して自然乾燥のみにしました。
さすがモンクレールの高品質ダウンやフェザー、自然乾燥+風当てほぐしでしっかりと膨らんでボリュームも回復しました!
この方法、同業者さんの参考になればと思います。^^
【あとがき】
というわけで、今回は高級ダウンのモンクレールについてのお話でした。
高級な衣類や特殊な衣類をクリーニングする際は、とても神経を使いますし知識と経験が重要になります。
今回の仕事は、まだまだ生涯勉強だなと思える体験でした。
納品の際にお客様に喜んで頂けると思います。
少しマニアックな内容になりましたが、最後まで読んで頂いてありがとうございます。^^
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