皆さん、こんにちは。＾＾
「ご近所の貸衣裳屋さんから、助けて欲しいとご来店がありました！」
金曜の午前中の集配が終わって店に戻ると、受付の所に家庭用サイズの洗濯カゴに３つ山盛り（溢れてる）の洗濯物らしきものが置いてありました。
聞いてみると、駅近くの貸衣裳屋さんがクリーニングをお願いしたいと持ってきたらしいです。
びしょびしょに濡れてる商品が混ざってることで、何件か他のクリーニング店をまわったけれど全部断られたらしいです。
それにしても量が多い・・、雑多に詰め込まれた感じで何やら嫌な予感もする。
受付をした母親は、量が多い事と品物の状態（濡れてる物もある）が悪い事もあって、お断りをお願いしたそうです。
【どんな品物が持ち込まれたの？】
貸衣装屋さんという事で、通常の衣類ではありませんでした。
- 白足袋 １００足程
- 柄物の足袋 ３０足程
- 長じゅばん ３０着程
- 風呂敷 ２０枚程
- ちりめんの風呂敷 ３０枚程
- その他和装小物や生地等多数
いや、量が多過ぎて！ビックリしました！
それに汚れた水で濡れてしまってる品物がいくつもある・・
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【品物のチェックをしてみる！】
ちりめんのレーヨン素材の風呂敷と、数点混ざっていたシルク製品以外は全て水洗いが可能でした。
濡れてしまった品物は、当日すぐに処理をしてしまわないとこの時期なのでカビたり変色・変質してしまうと大変です。
中には、すでに濡れて色が移ってしまった物や、レーヨンのちりめんが濡れてダメになってる物もありました。
だいたいの概要がつかめたので、お客様に連絡をする事にしました。
- 費用の概算のお知らせ
- ほとんどの商品は洗えること
- 中には、濡れて色移りや生地自体が駄目になっている物があること
- 新品のものや洗えないもの、すでにダメージがあるも商品は、そのまま返却すること
- 納期には、長くみて３～４週間程かかること
電話でのやりとりで、了承して頂けたので今回の仕事を受ける事になりました。
【なんでこんな大量に？しかも濡れてるのか？】
その日の午前中に貸衣装屋さんで、空調の点検か取り換えの工事があったそうです。
その際に、業者さんが誤って水漏れを起こしてしまったとのことです。
幸い、和服・礼服等のスーツ類・ドレスなどの高価な物は無事だったそうですが、水漏れが起きた場所の下に、今回持ち込まれた白足袋や長じゅばん等が置いてありました。
濡れてる商品だったので通常の取次店舗だと、回収までの管理ができなかったり、他の商品への被害が出てしまうので恐らく断られたんだと思います。
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【今回のような仕事は特に大切にする事！】
母親は、手間や割りに合わないなどの損得勘定をしてしまったんだと思います。その事は別に構いません。
けれど、断ったにも関わらず「一度店主さんに見てもらうだけでも。。」と、店に置いていかれました。
たしかに、手間と時間が超かかるのは間違いない！
案に、お断りするのは簡単です。
けれど、先日も豊中市の給付金の申請をしたばかり、決して経営状況は安泰ではありません。
大変な仕事だけれど、大変な仕事だからこそ、やりがいもあるし、もちろん売上にもなります。
それと大前提にあるのが、
「困った時はお互いさま！」精神。
これめっちゃ大事。
この考えって、商売していくうえでとても大事と思ってます。
うちみたいな小さな個人店なら、なおさらの事。
決して、今回この貸衣装屋さんを助けたから、このお店からまたクリーニングがでる！なんて事を期待しているのではなくて。
まわりまわって、いつか誰かが困った時に助けてくれるかもしれません。
現に今回、長引くコロナ禍や大口のお客様が亡くなられたりで、売上減で困ってる状況の中、１回の持ち込みで閑散期の１ヵ月分の売り上げが出ました。
これも、これまで自分がやってきたお手伝い？助け合い？うまくいえませんけど、そういうのが巡り巡ってるんじゃないのかなと思ったりします。
【あとがき】
この歳になってようやく気付いた事や、思う事が最近はどんどん出てきます。
２０代、３０代、では考えもしなかったこと、行動に起こせなかったことも今ならできるように思います。
商売だけでなく、人生そのものが損得勘定・目先の利益・自己中心的な考えではダメ。
その時は上手く切り抜けられても、巡り巡ってきっと最後は上手くいかなくなる。ようやくこの歳になって気付きました。
➡ 何の繋がりもなかった、貸衣装屋さんがある日突然やってきて、たった１回で１ヵ月分の売り上げを出してくれる。
こんな事自体、クリーニング屋を２０年やってて初めてです。
納期は長目にもらっているので、大変で手間のかかる仕事ですが、手を抜かずに日々の仕事におり交ぜて少しずつ作業していこうと思います。
クリーニング代金は、空調屋さんが弁償してくれるとおっしゃってました。
だからと言って、多目に請求するつもりもありませんし、むしろ大量に出してくれた分割引させて頂きます。
電話で仕事を受けた事に「本当に助かりました。」感謝されましたが、こちらこそ感謝するべきなんですよね。
「うちの店を選んで頂き、ありがとうございました！」
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